英語が話せると・・・

季節が初夏に差し掛かる5月頃にもオーストリアを旅した事があります。

この時期は欧州でも、寒くもなければ暑くもないという良い季節で、旅行のベストシーズンと言ってもよいと思います。

 

その時の旅もまた、たくさんの楽しい出会いがありました。

まずは電車でオーストリアのインスブルックからウィーンへ移動する途中。

窓際の席に座って景色を眺めていると、何やらドイツ語で若い男の人に話しかけられました。

しかし私はドイツ語がほとんど分からないので、一瞬固まっていると、すぐに英語で話しかけてくれ、

”Is this seat free?"と聞かれました。つまり先ほどのドイツ語は席があいているかどうかを聞きたかったようでした。

 

向かいの席に座ったその彼とは、終点に到着するまでずっと話をしていました。

私はドイツ語は殆どわかりませんが、実は学生時代第二外国語でドイツ語を履修しました。

実践で使えるほどのレベルではありませんが、何となく習ったことは覚えています。

 

ところでドイツ語をはじめ欧州諸国の言語というのは、冠詞(英語でいうところのa/an, the)がとても複雑で、

日本人にとっては非常に難解です。その冠詞の変化(der des dem den, die der der dieなどという決まった変化の形があり、

日本語だと「てにおは(助詞)」にあたるようです)を記憶を頼りに読み上げてみたところ、とても驚かれ、

君はドイツ人より詳しいねとまで言って貰いました(笑)

 

またこの時もユースホステルに宿泊をしたのですが、そこでタイから来た女性たちと同部屋になりました。

彼女たちはタイ語で何かをずっと話していましたが(タイ語って響きがとても独特で可愛くて面白いですね)、

私が現れると英語で話しかけてくれ、夕食がまだなら一緒に行かないかと誘ってくれました。

しかしちょうど済ませてしまったので、残念ながら同行できませんでしたが、

今にして思えば一緒に行ってもっと仲良くなれば良かったな、と思っています。

 

この時の旅ほど、英語が話せる事の幸せを感じたことはありませんでした。

日本とドイツ、日本とタイ、お互いの母国語が分からなくても、英語さえ話せれば英語を仲介して意志の疎通ができる。

もし英語がまったく分からなければ、関わる事もなかったかもしれない相手を知る事ができるのです。

英語って素晴らしいツールなんだなと改めて思いました。