私の学生時代は大変な事が多かった、と自分自身では思っているのですが、その半面先生にはとても恵まれた学生時代でした。
特に高校時代はその傾向がいちばん顕著だったように思います。
以前のブログで投稿した保健の先生はもちろんの事、私が通った高校は本当に優しくて面白くて個性的で魅力のある先生たちが
多くいらっしゃいました。
私が古文を教わった先生も忘れられない先生の一人です。
その先生は50代くらいの女性で、マナーや立ち居振る舞いには厳しい印象のある先生でした。
私の同級生の中にいたちょっとやんちゃで、オシャレに興味深々な女の子たちからは若干疎まれている感じでした。
いかにも若い女の子からは敬遠されそうな、少し厳格さ漂う先生ではありましたが、
私は逆にその古風さと誠実さ、芯の通った先生の人間性がとても好きで、
先生の授業は安心して受けられた事を今でも覚えています。
そんなある日先生が授業中に私たちの先輩にあたる、もう卒業した教え子との思い出話を教えて下さいました。
その先輩は高校在学中はとてもヤンチャで、先生とも何度も喧嘩をしたようでした。
しかし高校を卒業して、精神的にも大人になり落ち着いて、美容師になる夢も叶えました。
先生も美容室で髪を切ってもらった事があるそうです(高校時代の仕返しに変な髪形にされるのでは・・・と心配したそうですが素敵に仕上げてもらったようです笑)
しかしその先輩はある日突然帰らぬ人となりました。
教え子が立派に成長し、夢を叶えて働いている姿を見届けた矢先のその知らせに、先生はどれほど悲しまれた事でしょう。
そして先生は私たちクラス全員に真剣に「なして死なねばならねった?」と語りかけてきました。
その能代弁に込められた思いに、いかに先生が教え子を大切に思っていたか、そしてその思いは私たちへも
向けられている事もありありと伝わってきました。
その時私は今時こんな先生本当にいるんだなぁ・・・と心から感動したのを覚えています。
今から20年以上前の当時ですら、先生のような本当の意味での熱血先生は珍しかったように思います。
今はもう退職されていると思いますが、現代のような時代にこそ先生のような方が教育現場に必要なのでは・・・?
そう思わずにはいられません。