図書館との出合い

高校1年次はとにかく周りの同級生たちに圧倒され、ただでさえ強かった劣等感がさらに強化されていくようでした。

初めての定期テストでほぼ最下位だった後に、トドメを刺されるかのように入学時に受けた健康診断に引っかかってしまい、高校入学早々予期せぬ入院生活を1カ月ほど送るはめにもなりました。

 

入院中にあった2度目の定期テストは、受けていないのですから、当然の如く正真正銘の最下位となり、ほとんど失意のどん底といった心境で、当時はひたすら傷ついていないふりをするのに精一杯といった趣でした。

 

そんなある日、思わぬ出合いがありました。

学校の図書館に行く機会がありました。

大して何も期待していなかった学校の図書館ですが、まさにそこで図書館のイメージを良い意味で覆されました。

見たこともないような蔵書数と、様々な分野の本が所狭しと並んでいました。

それまでの私の「学校にある図書館」の印象といえば、校内にただ存在しているだけで、実質人の出入りがない場所、

または申し訳程度に本棚に本が置かれている場所、しかもその本は古めかしく、なんだか黄ばんでいる・・・といった程度の

どちらかというとマイナスな認識しかありませんでした。しかし高校生活で初めて図書館が面白い場所であるという事を知りました。

 

その日以降、次から次へと読みたい本との出合いがあり、私は図書館の常連客となりました。

同じクラスの同級生たちも、図書館に関して以前の私と同じイメージを持っている人ばかりだったのか、私のクラスの貸し出しカードは自分以外にほとんど誰もいなく、いつも7組(私のクラス)の貸し出しカード入れはガランとしていました。

 

そんな状況にまるで自分だけの秘密基地を見つけてしまったような、なんとも言えない気分になったのを覚えています。