ウィーンでの滞在先は、ユースホステルと呼ばれる、相場より少し安めの宿でした。相部屋になっており、利用者はどちらかというと
若年層が多かったように思いますが、世界各国から様々な年齢層の方がやって来ていて、面白い出会いがあったりもします。
そこでオーストラリアからやってきたという青年と出会いました。彼はオペラ座に行くのだと言って張り切っており、新調したというスーツを着込んで正装し、いかにも楽しそうな様子でした。また次の日に友人に会いにスロバキアまで行くのだと聞いて、改めてここは
簡単に電車で国境を越えられる欧州なのだということを実感しました。
私がアイルランドに留学中の日本人だと知ると、珍しがられ、アイルランドについても語り合ったような気がします。
(余談ですが、アイルランドっていろんな人に珍しがられる気がします笑)
そんな彼の話を聞いて私もクラシックの本場、ウィーンでのクリスマスコンサートに行ってみたくなりました。
よそ行きの服を買いに行き、それを着て少し緊張しながら出かけました。
会場にはたくさんの人!それもほとんどが西洋の方々ばかり。そんな中ちらほら日本人と思われる方たちの姿も(オーストリアは日本人に人気の観光地ですね)。オーストリアで初めて聞くクラシックは、どこか日本で聞くよりも音が澄んでいて、いかにも本場という感じがしてとても感激しました。
その帰り道、すっかり暗くなった空を見上げると雪が静かに降っていました。
コンサート会場はあんなにも人がいて賑やかだったのに、通りはほとんど人通りもなく静けさに包まれていました。
クリスマスという雰囲気がそう思わせたのか、その静けさは荘厳さの中にも穏やかさが感じられ、まるで天使が舞い降りてきそうな、
とっても不思議な空でした。
宿まで幸せな気分に浸りながら、雪が舞い落ちる道を歩いていきました。